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人類の ”昨日の敵は、明日の友” 力が強すぎる件について 〜ウイルス治療薬〜

  • この記事で得られる学び:ウイルス治療薬ってなに?がざっくりとわかる

  • この記事の読む終わる目安:4分くらい

 

なんのこっちゃいというタイトルですが、今回はウイルス治療薬のお話です。

ウイルスと聞くと、ここ数年猛威猛威で勘弁してほしい新型コロナウイルス

季節性のインフルエンザのウイルスを連想しますが、

人類はガンの治療薬としてウイルスを利用しているのです!

すごいですよね!

 

人類とウイルスこんな感じ

 

今回ご紹介するのがこの番組。

www.nhk.jp

 

2021年に国内で初めてガンに対するウイルス治療薬が承認されました。

これは、第一三共などが開発した「デリタクト」という治療薬で、

脳内の細胞ががん化することで起きる脳腫瘍の一種「悪性神経膠腫(こうしゅ)」

に対して効果があるとのこと。

 

この番組では、この治療薬の開発を紹介しているのですが、

超ざっくり説明しますと・・・

 

そもそも身体の中の細胞にウイルスが侵入してくると、

ウイルスは自分自身で増えることができないため、

感染した細胞にウイルスの増殖をさせています。

エイリアンみたいな感じですね・・・

けど、正常な細胞はウイルスの感染を感知すると自爆したり、

増殖しすぎないようにリミッターがかかっているので、

うまくやらないとウイルスは増えることができません。

一方で、がん細胞というのは、

リミッターが外れてイケイケドンドンで増えまくる細胞なので、

ウイルスも感染すれば増殖は超楽勝です。

 

 

がん細胞こんな感じ

このがん細胞のイケイケに増えやすい性質を利用します。

”しっかり増えれば細胞を破壊するけど、正常な細胞では増えられないウイルス”

を遺伝子組換えを数カ所に施して作ります。

つまり、このウイルスは正常な細胞では増えられないのですが、

がん細胞でなら増えることができるのです。

なぜなら、がん細胞は

イケイケドンドンパーリナイ!


ですから!

ということで、このウイルスを投与してやると、

正常な細胞は破壊されずに、がん細胞のみが破壊されるのです!!

しかもしかも、

このウイルスは身体の免疫が”敵”としてしっかりと記憶されますので、

ウイルスが身体からいなくなった後でも、

がん細胞を攻撃し続けることができるのです!

 

少しだけ正確に書くと、

 ・DNA合成に必要なタンパク質を作るICP6という遺伝子を欠損:効果①

 ・感染した細胞の自滅を防げるγ34.5という遺伝子を欠損:効果①

 ・α47遺伝子の欠損:効果②

によって、

 効果①:がん細胞でのみ増殖が可能で、

 効果②:免疫細胞に見つかりやすく免疫記憶を獲得しやすくした

というウイルスを作製したのでした。

 

うーん、なんということでしょう。

めちゃめちゃ効率の良い治療薬ですね!!

人類はすでにワクチンなどでウイルスを利用して来たため、

ウイルスを使用することにもはや違和感もないのですが、

ここまで人体をHACKする感じにウイルスを改変できるとは、驚きです・・・

 

○○○○○○○○○○○○○○○

 

この人体のHACKについては、思うところがあるので、

またどこかのタイミングで書かせていただこうと思います。

 

しかし、人類の歴史を見てきても、

コレラだったりスペイン風邪だったりと、

確実に人類の脅威で危機を与えてくるウイルス。

それを逆に我々の治療に使ってしまうとは、

人類の ”明日の敵は今日の友” 力、高すぎませんか!?

ピッコロやベジータを仲間にするどころの話じゃないですよね?

最終形態の魔人ブウを仲間にしてる感じですよ!?

 

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今日の学び

・ウイルス治療薬は、がん細胞の性質をうまく利用してがん細胞のみを破壊する

・人類の ”昨日の友は明日の友” 力は異常に高い

 

世界は広いです。

まだまだ学ぶことも多いです。

今回もお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

それでは、また。