食品開発男子のゆる〜いマナビブログ

30代食品開発系男子の学びと日常のゆる〜い雑記ブログ

「距離」が変わった2022年の夏

「駅から徒歩5分」

不動産広告でよく見かけるこういった表現。

みなさんは徒歩何分であれば「近い」と感じますか?徒歩何分であれば、「ギリギリ歩ける」と感じますか? この「近い・遠い」の感覚によって、不動産価格は形成されているわけですよね。

 

徒歩・・・何分?

 

実は今年の9月から、この「徒歩○○分」「所要時間○○分」の記載が変わってきていること、ご存じでしたか?

 

本日はこちらの新聞記事から。

変わる「駅まで10分」、マンション広告も消費者意識も: 日本経済新聞 (nikkei.com)

 

正確に記すと、「不動産各社が加盟する不動産公正取引協議会連合会が不動産広告に関する規約を9月に大きく2つの点を改正」したんですって。これまでの利用者からのクレームや不動産業者の要望を元に改正されたそうで、基本的に好ましい内容に変更となっています!!

 

変更点は次の2点!

 

①駅までの所要時間の表記

 旧:(建物の敷地からの距離が)徒歩3分

 新:(建物の出入り口からの距離が)徒歩5分

 

これは、どーゆー風に記載が変わったのか?

例えば、「徒歩5分」という表記。業者によっては立地条件をよく見せようと、「実際の道のり」ではなく「最短距離」で記載していることもあったとか。これはマンションの敷地の庭も含めています。つまり大げさに言うと、マンションの庭の敷地が駅から5分の距離であった場合、「徒歩5分の物件!!」と言えてしまったわけです!! たとえそれが、実際その物件から駅まで5分で行こうとすると、短距離走さながらのテンションで行かないと間に合わない徒歩8分の立地でも・・・。これは限りなく嘘に近い表現で、購入者にまったく優しくないですよね!!プンプン!!

それが、きちんと「出入口から駅までの距離が徒歩5分」に改められるようになったのです。これがあるべき「徒歩5分」の表記の姿ってもんですよ!!イイネ!!

 

②公共交通機関を使った通勤時間に関する表記

 旧:最短の時間を表記

 新:乗り換えにかかる移動時間や待ち時間を含めた朝のラッシュ時の時間を表記

 

これは、A駅⇒B駅で乗り換え⇒C駅 の例がわかりやすいのですが、

①A駅⇒B駅が10分 ②B駅で10分移動と待ち時間 ③B駅⇒C駅が10分

だとすると、

 これまで:A駅⇒C駅の所要時間20分

 これから:A駅⇒C駅の所要時間30分

と変わるわけです!!

もはや、1.5倍の差になってしまうわけです!!!

これもね~、今までの表記が都合よすぎますよね~

 

今回感じたこと

2点あります。

 

①情報ツールが「なーなーな慣習」を許さなくなってきている!

どーゆーことかと言いますと。これまでの利用者に優しくない表記は、不動産側にとても有利な状況だったのが、そうも言ってられなくなった!ということだと思うんです。つまり、Google mapによって、正確に「徒歩○○分」が可視化されたわけですし、乗換案内によって、正確に「(待ち時間を含めて)所要時間○○分」が可視化されたわけですよね。これによって、利用者側が「なめた表記してるんじゃないよ!!」と言うことができるようになり、今回の改正につながったということですよね。情報やツールが大衆化し、「なーなーな慣習」に待った!をかけてる。良い方向に進んでいるなー。そう感じた次第です。

 

②絶対的な数値であるはずの「距離」が変わるというあいまいさ

これはそのまんまなのですが、不変なはずの「数値」を扱うのも人間なので、「人間の意味づけ」によって、「数値」も変わりうるんだなーと思いました。要は「距離」なんて「そこからここ」の絶対値なはずなのに、「不動産業者の意思」が入ることで、その「距離」がゆがめられていたわけです。「お金に対するなりふりかまわなさが距離を変えた!!」ってことですよね。良くも悪くも、人間のドロドロした部分がでているなーと。今回はそれが是正されたということで、「逆に損するかも・・・」という浄化作用が働いた感じでしょうか。

 

それにしても、業界あるあるなのか知りませんが、あまりにお粗末な表記だったので、今回の改正は大歓迎です。

 

ということで、本日は「不動産の表記の変更」に関する話題でした。

お付き合いいただき、ありがとうございました。

それでは、また。