眠い!寝られない!起きられない!が少しわかってきた!?
本日は「睡眠」の話題です。
眠るって、素晴らしいですよね〜✨
特に寒くなってきた今日この頃、いくらでもお布団の中で眠っていたいものです!!
1日8時間くらい睡眠をとるのが良いと言われていて、その計算でいくと、人生の3分の1は眠っているって計算になります!!!人生100年時代、睡眠は33年!!それだけ生きていくには睡眠が必要なんですね〜
しかし、そんな切っても切れない超重要な睡眠ですが、実はまだまだ謎だらけなんです!!なんなら、ほとんどわかっていないと言っても良いくらいまだ人類は睡眠を理解できていなんだそう!!そもそも、なんで眠らなければいけないのか?っていうことにもまだ答えられないんです。
そんな中で発表されたのが今回の研究成果。
「興奮性ニューロン内の分子シグナルが睡眠を制御する〜眠りの量と質が決まる仕組みを解明〜」(筑波⼤学国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)柳沢 正史 教授)
なんとこの研究、論文雑誌のトップオブトップ「Nature」という雑誌に2報同時に掲載されたすごい成果なんです!!
「Nature」は科学者なら一度は掲載されることを夢見る研究雑誌!漫画で言ったら「少年ジャンプ」、報道で言ったら「ピューリツァー賞」、競馬で言ったら「有馬記念」的な感じでしょうか?(違ってたらスミマセン・・・笑)
それだけ、睡眠分野は重要だけどわかっていないことが多いっていう裏返しでもある気がします。
今回の研究をご紹介
そもそもこれまで睡眠に関する研究でわかっていたこととして・・・
SIK3という酵素が睡眠に関わるものであるということ!!以上!!
え!?たったそれだけ・・・!?
このSIK3が脳内の睡眠に関する反応を調節し、睡眠の質と量を調整しているキーマンなのですが、
①どーやって睡眠を制御しているのか?
②どこで睡眠の量や質を決めているのか?
はわかっていなかったんです。
今回はこの①②が判明したという研究成果なんです!!
①どーやって睡眠を制御しているのか?
結果だけ簡潔に。
マウスを使った実験から、LKB1 → SIK3 → HDAC4 or HDAC5という分子の反応経路で制御されていることがわかりました。
つまりですね、「寝るぞ!!」っていうスイッチが入ると、脳の中でこのLKB1が働き出し、色々あってHDAC4や5がドミノ式に働くことで、哺乳類は眠りについているということなんですね。
ちょっとこれだけだとすごさが伝わらないと思いますが、生物の反応というのは、いろいろなタンパク質分子の反応の連鎖によって制御されているんです。なので、これまで全くわかっていなかった睡眠の反応経路が今回みたいに判明するというのは、とっても大きな意味があるわけなんです。
②どこで睡眠の量や質を決めているのか?
睡眠の質:⼤脳⽪質の興奮性ニューロンが制御
ということが今回わかりました。
脳の違う部位で睡眠の質と量をそれぞれ制御しているんですね!!!
視床下部は元々本能系を司ることが知られていて、睡眠をはじめ、摂食行動、性行動、攻撃行動などコントロールする部位。一方で大脳皮質は運動や感覚を司る部位。視床下部が睡眠に関わるというのはなんとなくわかるのですが、大脳皮質が「睡眠の質」に関係するというのは何か面白いです。
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ということで、今回は睡眠の研究を見てきました。
この睡眠研究が進むことで、身近なところでは、不眠症の改善などが期待できます。未来系だと、いつかは「5分寝たら10時間分の睡眠と同じ効果」みたいな夢のショートスリーパー生活ができるようになったりするかもしれません!!もしくは、冬眠みたいなことができるようになるのかもしれません!!人間の身体でそんなことができるようになったら、すごいですね〜
それがいいのか悪いのかは置いておいてですが、「選択肢が増える」というのはとても有益なことだと思います。
きっと私が生きている間に睡眠の全てが明らかになることはないでしょうが、もしかしたら孫の世代くらいには睡眠を自由にコントロールしている世界線になっているのかもしれません。人類の価値観も激変していることでしょう。めちゃめちゃ興味深いですね。
ということで、
本日は少し難しい論文のご紹介でした。
いかがだったでしょうか?
今回もお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
それでは、また。