どうやってオスとメスって決まるの? え、新しい決定方法が見つかったの!?
おかげさまで、初投稿から10日連続の投稿となります!
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これからも読んでいただける方に興味を持っていただけるよう、
継続していきたいと思います!
土曜日はちょっと難しい論文にチャレンジ
オスとメス。
この両者がいることで、
これまで地球上でどれだけ多くのドラマが生まれてきたことでしょう。
今回ご紹介するのは、このオスとメスに関する
「哺乳類の新しい性決定の仕組みを発見―Y染色体とSry遺伝子が消失してもオスは消滅しない―」
というタイトルの論文です。
今回の論文は、北海道大学の黒岩麻里教授らの研究グループによる発表で、
The Proceedings of the National Academy of Sciences (PNAS, 米国科学アカデミー紀要) 誌という由緒正しい雑誌に掲載された論文とのこと。
それだけ、重要な発見だったということですね!
そもそも、オスとメスってどうやって決まってるの?
ほとんどの哺乳類の場合、性別を決定するXとYの性染色体があり、
・Yを持ったXYがオス
・XしかもたないXXがメス
という風に性別は決定しています。
特に、このY染色体の中にある、
Sry遺伝子というものがオスという性別を決定しているんだそう。
お父さんからXかYが、
お母さんからは必ずXが子どもへと渡ることで、
XX(女の子)とXY(男の子)が50%の確率で生まれるわけです。
なるほどねー
なんと5,000種くらいいる哺乳類(こんなにたくさんいるんですね!)のほとんどで、
このY=オスっていう性決定の方法を取っているとのこと。
数種類だけはSry遺伝子がなくてもオスが生まれることが報告されているけど、
なんでオスが生まれるのか?はまったくわかっていないんですって。
今回の論文はどんな内容なの?
今回の論文は一言でざっくりいうと、
Sry遺伝子(Y染色体)がなくてもオスが生まれるメカニズムが初めて判明したぜ!!
という内容になります。
調べたのは、アマミトゲネズミという、奄美大島のみに生息する日本の固有種。
国の天然記念物及び国内希少野生動植物種に指定されているんですって。
この種は超貴重なため、なかなか研究が進められなかったみたいです。
このネズミにはY染色体がなく、オスもメスもXOなんです。
え?じゃあどうやって性が決まっているの?
Xだけだと、本来はメスになるはずじゃない?
これがわかってなかったんです。
今回判明したのは、XとかOとかの性を決める染色体ではなく、
ふつうの染色体(ヒトだと46本持っている常染色体ってやつです)のなかに、
「オスを決める特別な記号(配列)」が含まれていることがわかったんです!!
(配列っていうのは、DNAを構成するACGTの順番のこと)
遺伝子ですらないっていうのが、びっくりですよね〜
ちなみに、この特別な記号をメス(XX)のマウスの卵(受精卵)に入れてやると、
精巣を作る信号が出ていることも確認されたとのこと!!
強力に機能していることが示されています!
○○○○○○○○○○○○○○
個人的には、通常のSry遺伝子のオス決定メカニズムと
今回の特別な配合によるオス決定メカニズムがある程度共通しているのか?
それともまったく別なのか?
というのは興味があります。
また、マウスで特別な配合を入れればオスになるという結果がありましたが、
マウスできるってことは、人間にも応用ができてしまうわけで、
男の子と女の子の究極の産み分けができてしまうわけで、
デザイナーベイビー問題にも絡んだりします。
新しい知見は、新しい技術に応用できるわけで、
その技術には倫理も求められる。
便利な発明は一長一短の側面があるわけです。
ということで、
本日は少し難しい論文のご紹介でした。
いかがだったでしょうか?
こんな感じで、たまに論文のご紹介も入れてみようと思います。
今回もお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
それでは、また。