食品開発男子のゆる〜いマナビブログ

30代食品開発系男子の学びと日常のゆる〜い雑記ブログ

「食品のフィルム」って、作るのにどれくらい時間がかかるの??

お菓子を食べているそこのあなた!!年の瀬ですね!!お仕事は無事に納まりましたか!?

 

今手にしているのは何ですか?ポテトチップス?美味しそうですね〜〜。今日はあなたの持っているそのお菓子にも関わるフィルム袋のお話ですよ!!

 

パーティー開けとかするやつ!

 

ということで、変なテンションで始めてしまいました。食品の「フィルム袋」についてのお話です。みなさんはどんなイメージ持っていますか?「デザインがいいな〜」とか「このフィルム袋開けやすい!」とか?もしくは、「手触りがいい〜」とか? 商品を手に取ってもらえるかどうかは、「フィルム袋」にかかっているとも言えなくもない。まあ商品の印象を決めると言っても過言ではない、とっても重要な要素なんですよね〜

 

デザイン、大事!

https://www.calbee.co.jp/products/detail/?p=20220909090902

でも、それ以外にも意識しているんです!

https://www.calbee.co.jp/products/detail/?p=20211224105439

 

これなんて、凝ったデザインですね!

https://www.calbee.co.jp/products/detail/?p=20131011102034

 

正直いくとですね、「フィルム袋」なんて、いろんな角度から何万文字でもお話ができてしまうのですが・・・笑  本日は、「スーパーとかで売っているお菓子とかのフィルム袋って、どれくらいで作れんの?」ってことについてお話します。

 

どのくらいで作れると思いますか〜?

 

 

「食品のフィルム袋」を完成させるのに必要な情報が何なのよ?

まずはですね。完成までにどんな情報が必要なのか?挙げていきますね〜

①どんな商品を入れるのか? 

 ・どんな材質にする?

 ・どんな強度にする?

②どんな商品量にするのか?

 ・どんなサイズの袋にする?

③どんな原材料を使うのか?

 ・どんな表示になる?

 ・どんな栄養成分になる?

 ・どんなアレルギーを含む?

 ・他にはどんなことを書く?

 ・などなど・・・

④どんなパッケージにするのか?

 ・どんなデザインにする?

 ・どんな色を使う?

 

っていうのが、必要な情報になってくるわけです。

 

じゃあ、フィルムってどんな流れで作んのよ?

次は食品フィルム完成までの流れです。食品フィルムについては、フィルムメーカーに印刷をして作ってもらいます! 業務用の透明なものや、字だけのちょっとしたデザインのフィルムであれば、自分の会社で印刷ができる場合もあります。ただ、スーパーのお菓子売り場で売っているようなデザインバッキバキの食品フィルムは、ほとんどがフィルムメーカーで印刷したフィルムになるんですね〜〜

 

で、流れなのですが、さっきの必要な情報のうち、だいたい③までが固まった段階でフィルムメーカーに相談を始めます。①〜③までの情報や「どんな印刷内容が必要か」をフィルムメーカーに伝え、デザインのイメージを作ってもらうわけです! こうしてフィルムメーカーから提出されてくるのが「版下」っていうフィルムデザインの設計図。この版下の修正を繰り返し、完成版を作成します。これが「校了」っていう状態。出版屋さんとかでもこの用語は聞きますよね〜。 校了したデザインを印刷したフィルムがメーカーから納品され、商品である食品を包装して出荷となります!! こんな流れを経て、スーパーなどに商品が並んでみなさんとお会いできるわけです!!

版下、こんな感じっす。向きやら寸法やらデザインやらが描かれた設計図!

https://www.sanyoukougei.co.jp/technical/2015/08/post-2.php

 

で、そのくらい時間がかかるわけよ??

という本題なんですが。昨今はですねー・・・。コロナ禍の影響で、世界的に物流が大混乱。いろんな原料の供給が追いつかず、いろんなものの値段が上がっているのは身に染みていますよね・・・。お財布厳しい・・・。食品のフィルムも御多分にもれずでして、値上げはもちろんのこと、原料の確保すらままならないという状況でした。そのため、納品が通常よりも2〜3倍の時間かかってしまっているようです。とんでもないですぜ・・・。

 

そのため、フィルムメーカーに依頼を始めるのは、納品の4〜5ヶ月前くらい。依頼から校了までが1〜2ヶ月くらいかかるので、校了から納品までが3ヶ月はかかる計算です。

 

なので、最近は、とにかくフィルムを作るのに時間が必要になるので、発売までの開発の期間を前倒しにしないと、「やばい!!発売に間に合わない!!!!」という事態になりかねないわけなんです・・・。発売に間に合わないってのは、開発的には絶対にやってはいけない状況・・・。怖すぎます。。

(ここのフィルムの納品期間については、フィルムメーカーや世界の情勢次第な部分があるので、あくまで参考としてご認識を☆)

 

ということで、発売から逆算しつつ、4〜5ヶ月前くらいからはフィルムの設計に向けて動き始めるわけなんです。つまりはですね、23年の春に発売する商品は、今ぐらいが「校了」っていうタイミングなんですね〜。食品開発の方々、無事に校了しましたか? 穏やかに年を越せるといいですね〜〜笑

 

そんなフィルムメーカーや食品開発の汗や涙に思いを馳せつつ、美味しいお菓子を食べながら紅白歌合戦を観てもらえたらいいのです!え、重いって・・・? それは失礼しました笑

 

ということで、本日は「食品フィルム」の話題でした。

本日もお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

それでは、また。